来 歴
1973年(昭和48年)に、農水省果樹試験場口之津支場(現、独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所カンキツ研究口之津拠点)において、清家ネーブルにクレメンティンを交配して育成された交雑種である。
1974年(昭和49年)に結実促進を目的に温州ミカン中間台に高接ぎし、1978年(昭和53)年に初結実した。数年間の調査結果に基づき1次選抜し、1987年(昭和62年)に第6回系統適応性・特定検定試験に口之津13号の系統名で供試された。その結果、有望と認められ、1992年(平成4年)に命名登録、1994年に品種登録された。
品種の名前は、育成地(長崎県南島原市口之津町)を潮の出入りとする「有明海」から由来している。
(第6回系統適応性・特定検定試験 供試系統名:口之津13号)
(命名登録:1992年 タンゴール農林4号)
(品種登録:1994年 登録番号第3942号)
樹の特性
樹勢はカラタチ台では比較的弱く、わい性になる。しかし、温州ミカンを中間台とした高接ぎ樹では中程度の樹勢を示す。樹姿は開張性である。枝梢は密生し、細く短い。トゲは樹勢が落ち着けばほとんど発生しなくなる。葉はやや小さく、クレメンティンと同程度である。樹体の耐寒性は強い。
かいよう病、そうか病には抵抗性である。カンキツトリステズウイルスの影響はほとんどない。
果実特性
果実は170〜200gで、玉ぞろいはやや悪い。果実の大きさは、苗木で樹勢が弱い場合は100gより小さくなるが、高接ぎ樹などで樹勢が旺盛な場合は、200g以上の大きなネーブル果になる。果形は球形でネーブルオレンジに似る。果梗部に浅い条溝が走る。果頂部には不明瞭な凹環がある。
果皮は橙色でネーブルオレンジと同程度である。着色は早く、完全着色は12月中旬であるが、12月下旬ころまで色は濃くなる。赤道部の果皮の厚さは3〜4mm程度。ネーブルオレンジと同様に、果梗部は厚いが、果頂部はかなり薄い。そのため、秋季には裂果が発生しやすい。剥皮性は中くらいで、剥くことができる。果面は滑らかで外観はよい。オレンジ香を主体として香りはとても良い。
果肉は濃橙色でネーブルオレンジより濃く、クレメンティンに似る。肉質もクレメンティンに似て柔軟多汁。じょうのうは薄く、苦みは無い。育成地における熟期は12月上中旬で、糖度12〜13度でクエン酸が0.8〜0.9%となり食味はよい。樹上に遅くまで成らせておくとス上がりする。
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