来 歴
1970年(昭和45年)に、農水省園芸試験場久留米支場口之津試験地(現、独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所カンキツ研究口之津拠点)において、三保早生にクレメンティンを交配して育成された交雑種である。
1972年(昭和47年)に結実促進を目的に温州ミカン中間台に高接ぎした。無核性で糖度が高く品質が優れていることから選抜し、1981年(昭和56年)に第4回系統適応性・特定検定試験に口之津5号の系統名で供試された。その結果、有望と認められ、1987年に命名登録、1989年に品種登録された。
品種の名前は、育成地(長崎県南高来郡)一帯の呼び名「南高」から由来している。
(第4回系統適応性・特定検定試験 供試系統名:口之津5号)
(命名登録:1987年みかん農林5号)
(品種登録:1989年 登録番号第1857号)
樹の特性
樹勢は中庸で直立性であるが、結実を始めると開張する。枝葉は密生する。春枝は硬くて短く、トゲを生じる枝が多いが、樹齢を経るに従って無くなる。葉の大きさは、温州ミカンよりやや小さく、クレメンティンより大きい。葉色はやや薄く、冬季の落葉がやや多い。
そうか病、かいよう病は温州ミカン程度と抵抗性で、トリステザウイルスによるステムピッティングの発生がやや多いが、樹勢への影響は少ない。
果実特性
果実の大きさは130g前後。果形は温州ミカンより腰高の扁球形で果形指数は110〜115程度である。果皮の色は赤橙色で濃い。油胞はやや大きく、果頂部では突出する。小さなヘソを有する。果皮は薄くて果肉に密着し、剥皮はほとんど生じない。果肉の色は濃橙色。じょうのう膜は薄く、果肉とともに食べられる。砂じょうは短くて肉質がやや粗く、独特の舌触りであるが、完熟また予措をすれば柔軟多汁となる。糖度が著しく高く、12月上旬には13〜14度になることが多い。着色は早生温州程度に早いが、酸の減少は比較的遅く、成熟期は12月中・下旬頃である。
結実性は良好である。花粉をまったく形成せず、果実は単為結果性を有し、無核である。
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