来 歴
約140年前、イギリスの苗木商が大西洋のアゾレス諸島で入手し、カリフォルニアとフロリダに導入した。カリフォルニアでは本種をリバーレートと呼んでいたが、訪問したスペイン人が故郷のバレンシアに似たオレンジがあると語ったことから、以後バレンシアと言われるようになった。
しかし、スペインのバレンシアに本種は存在せず、由来も明らかでないが、ポルトガルに本種とよく似たドン・ジョアオという品種が発見され、これがバレンシアの元祖と言われている。
現在、世界で生産されている柑橘品種で最大の生産量があり、主要柑橘生産国で栽培していないのは日本ぐらいである。わが国には明治36年に田村利親氏によってアメリカからハーツレートという名で、興津にはバレンシアレートとして導入されたのが最初と言われているが、その後定着していなかったが、地球温暖化によって、日本の温暖な地域でも栽培が可能になっており、生産販売されている事例もある。
バレンシアオレンジにも温州ミカンと同様に多くの品種・系統があり、オリンダバレンシア、シードレスバレンシア、キャンベルバレンシア等がある。
紹介するフロストバレンシアは、アメリカのカリフォルニア大学のフロスト博士によって育成されたバレンシアの珠心胚実生系統である。
樹の特性
樹勢は強く、樹姿は開張性であり、温州ミカンと同様である。枝梢は短く、密生から中庸であり、よく着果するため豊産性である。トゲもほとんどなく、葉は早生温州程度である。オレンジの中では、最も晩生の品種である。
果実特性
果形は、球形で果重は150g内外である。果梗部、果頂部ともに豊円で、油胞は小さく平滑である。果皮色は橙黄色であるが、4月以降になると回青してくる。バレンシアの回青は果梗部から始まり、次第に全面に広がって緑色も濃くなってくる。サンテや袋掛けで多少は回避できるが、回青を止めることはできない。果肉は、薄い橙黄色で柔軟多汁。5月まで木成りでおいても品質は上がらず、酸含量が少なくなるため、次第に味が淡泊となる。香は良く、爽快感がある。
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