来 歴
アメリカ、カリフォルニア大学のフロスト博士が、1915年(大正4年)に尾張温州にキングマンダリンを交配し育成した交雑種である。1935年(昭和10年)に命名、発表された。
わが国への導入は、1955年(昭和30年)に田中長三郎博士によって種子で導入され、その後、農水省や愛媛果樹試験場(現果樹研究センター)に穂木で導入された。
樹の特性
樹勢はやや強いが、樹姿は温州ミカンに似ており開張性である。枝梢にトゲは無く、枝は垂れやすい。豊産性であるが、結果過多にすると隔年結果性を示す。かいよう病には、とても弱い。
果実特性
果実の大きさは150g程度である。果形はやや腰高の扁円形である。果皮は濃橙色であるが、3月頃から退色する。果面はやや粗く、果皮は温州ミカンと同等かやや厚い。剥皮は温州ミカンほどではないが容易に剥ける。果肉は橙色で、肉質は柔軟多汁。濃厚な味で食味は良好であるが、減酸が遅く、5月になるとおいしく食べられる。種子は完全種子が10〜20個あるが、全く種子の入らない果実もある。
晩生型の品種であるため、冬期温暖で、樹上越冬できるところが適する。内陸部で、寒の強い場所では果形が腰高になるばかりでなく、色、味、肥大が悪く、本来の品種特性が発揮できない。また、果実は低温障害には弱く、ス上がりしやすい。年明け後の多くの中晩柑類の中でも、5月まで樹上に成らせるため、晩生の品種で、果皮が赤く、薄いので鳥害を受けやすく、サンテや袋掛けしていても食害されるため、近年では防鳥網の設置が必須である。
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