来 歴
熊本県天草郡親和町の荒木勝氏が、1977年(昭和52年)に植栽した河内晩柑の1樹から生じた着色系枝変わりである。1983年(昭和58年)に発見され、熊本県農業研究センター果樹研究所の調査により、固定された変異種であることが確認され、1991年(平成3年)に品種登録された。
(品種登録:1991年 登録番号第2700号)
樹の特性
樹勢は河内晩柑と同様に極めて強い。樹姿は直立性で大木になるが、結実してくると開張性である。枝梢は太く長い。枝梢の密生は粗い。葉の大きさは中位で翼葉がある。
花序は、単性ないし総状で結実性はよく、結実期になるのも早い。河内晩柑と同様に、単為結果性と自家不和合性をもつ。
果実特性
果実の大きさは350g程度。果形は短卵形で、果皮は河内晩柑の黄色と異なり、橙色を呈し、1月上旬に最も濃い色となる。果面は平滑で美しく、比較的柔らかい。なお、果皮のアルベドと果肉も河内晩柑より濃色である。果肉は柔軟多汁でほのかな文旦系の芳香がある。河内晩柑と同様に内成り傾向であり、連年結果性で豊産性である。
果実品質は河内晩柑と同様である。2月上旬で糖度11度、クエン酸1.3%程度であり、3月まで樹上に置くと糖度の上昇と減酸が進み、食味は良好となる。生理的ス上がりが遅く、果実の耐寒性が強いことも河内晩柑と異ならない。
近年、消費の多様化や産地の周年供給化の中では、5月に採収、出荷ができ、初夏に向けて爽快な味であることから和製グレープフルーツとして見直されている。
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