来 歴
1929年(昭和4年)に高知県農事試験場園芸部長、渡部恒男氏が、鹿児島県から導入したと言われている。元来、鹿児島県の在来品種である。鹿児島より導入した渡部氏が「法元」というラベルをつけて果樹試験場の玄関前に定植したのが、高知県に広がる原因となった。法元文旦は、鹿児島市清水町の医師法元氏の庭園にあったものが、加治木町の法元家に伝えられたものという。現在では、南国市、須崎市、土佐市などで産地が形成されている。
樹の特性
樹勢は強く、樹冠拡大も旺盛であり、7〜8年で成木となる。樹姿は直立性であるが、果実がなり始め落ち着いてくると球形となる。枝梢の伸長もよく、枝の分岐が鋭角になりやすく、そのために風雪などによる枝裂け、枝折れを生じやすい。幼木時はトゲが発生し、節間は長い。葉は大きくて厚く、長楕円形で、翼葉も大きい。葉柄には毛じがある。
耐寒性はそれほど強くないが、豊産性である。
果実特性
果実の大きさは350〜400g内外。これは受粉の有無との関係が大きく、八朔や甘夏などの花粉をかけるとかなり大果となるが、自家受粉では小果となる。
果形は扁球形であるが、扁平なものから洋なし形のものなど不揃いとなりやすい。果皮色は淡黄色で、平滑であり、果皮の厚さは9mm程度である。じょうのう数は14〜15。種子は50粒内外あり多いほうで、胚は白色で単胚である。
本来の熟期は3〜4月であるが、12月に収穫し3〜4月に出荷している。収穫時には肉質も硬く酸も多いが、貯蔵しておくと、糖も高く、果肉も柔らかくなり、酸も低下して食味が良くなる。
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